向井 潤吉
画家を志して京都市立美術工芸学校に進学、同校を中退し1916年より関西美術院に学び在学中の19年第6回二科展にて初入選となる。美術院卒業後は単身
上京し川端画学校、信濃橋洋画研究所にそれぞれ学んだ。1927年には渡欧、パリを拠点に写生に励み、また、ルーブル美術館の作品模写に没頭するなど西
洋画の研鑽に努めた。帰国後は1933年第17回二科展に滞欧作を特別出品して樗牛賞を受賞、36年には二科会会員に推挙、41年には評議員を務めるなど同会
中心的な画家として活躍。また、その間37年には自ら進んで従軍画家として戦地に赴き戦争記録画などを製作し39年に昭和洋画奨励賞を受賞。戦後は二科
展再興には加わらず、小出卓二、古谷新、田辺三重松ら有志9名で行動美術協会を結成、以降は同展を中心に作品を発表した。制作当初は西洋風景や人物、
静物などを題材にしていたが、1945年に新潟県川口村の風景を取材したのを期に日本の民家を専門に描くようになり、壮年期から晩年にかけて日本国内の
写生旅行を続けて各地の古い民家を追い求め「民家の向井」と呼ばれた洋画家であった。
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