【人間国宝・中島宏】粉青瓷大壷 (粉青磁大壺)【直径35.4cm】

【人間国宝・中島宏】粉青瓷大壷 (粉青磁大壺)【直径35.4cm】

皆さん、こんにちは！今日の世田谷代田店では、雷とゲリラ豪雨がありました。各地でも突然の豪雨に足止めされた方々が多いようですね。ただ、傘を買いに行っている間にすっかり快晴だったというエピソードがSNSで流れてくるくらいには、本当に厄介な一瞬の出来事でした。

さぁ、そんな本日も買い取らせていただいた素晴らしい作品たちの中からこちらを早速皆さんにご紹介させていただきたいと思います。

【人間国宝・中島宏】粉青瓷大壷 (粉青磁大壺)【直径３５.４cm】

直径３５.４cm  高さ２９.５cm  大変立派な青磁大壺です。

※【青磁】：青磁釉を施した青緑色の磁器。紀元前14世紀頃の中国（殷）が起源とされている。

作者「中島宏」と言えばな美しい青磁が、物凄い存在感とオーラを放っています。表面全体に生じたきめ細かい無数の貫入が、より一層この大壺の格調の高さを物語っています。

とてもシンプルなデザインながら、素地の持つ色合いや質感の美しさと、このボディの繊細なる形成は本当にお見事です。ずっと見ていたくなるような、高貴でいて落ち着く作品です。

では、次に上からご覧いただきましょう。

綺麗な円を描いた大壺の口が出迎えてくれます。壺の内側まで艶やかで美しいですよね。

そして、口の周りはこのように少しの段差があります。この僅かなデザインが施されることで立体感が生まれ、お洒落度と迫力が増します。この口の部分も段差を含めて、まるで一寸の狂いもないような、均一で美しい円です。

さて、底部も気になりますね。一緒にご覧いただきましょう。

茶色い高台が全体の水色と相性抜群ですね。胴体の艶やかさとはまた違った、マットな落ち着きある質感が特徴的です。まさに土の温かさを感じるような雰囲気をまとっています。

高台内の中心部分には、作者の名である「宏」の彫銘があります。

※共箱・共布・略歴栞付。

改めて、作者について簡単にご紹介させていただきます。

佐賀県武雄市の陶芸家で、２００７年に【人間国宝】に認定された「中島宏」氏。

若い頃は実家の製陶所が好きになれなかったそうですが、父親に連れられて始めた窯跡の調査が全ての転機となり、窯跡から青磁の陶片を拾い上げ、ルーペで確認した時の光り輝くそれに感動と衝撃を覚えた事がきっかけとなり、のちにその道を極める事となります。

「青磁は難しい」と周囲から言われたことで、逆に「それなら自分の存在感が出せる」と、進む道を決心されたということです。興味の無かったものが、どんどん自分の運命共同体になっていくまでのドラマがまさにここにあります。

他人からすれば羨ましい家柄にも見えますが、どんなに素晴らしい技術や作品が身近にあったっとしても、興味を持てなければ意味がありません。結果的に、彼自身が青磁の魅力に気づき、その虜となっていったことで、伝統が守られ、そして新たな才能や技術・作品が生まれていったことは、とても素敵なことだと思います。

いかがでしたでしょうか。今回もまた素敵な作品と出会わせていただきました。移り変わる時代の中で、形あるものが丁寧に大切に受け継がれて、これからも沢山の人たちの日常に彩りを与えてくれますよう、ほくゆう倶楽部では日々このようにご紹介させていただいております。

是非、この感動を味わっていただきたいと思いますので、その目で直接ご覧いただき、お手に取って感動を体感していただきたいです！

ご興味を持ってくださった方は、お気軽にお問い合わせください♩

皆さんのご来店を心よりお待ちしております！

▼中島宏 (ナカジマヒロシ)

1941年 武雄市西川登町 生まれ

1969年 窯を独立

1976年 西部工芸展出品の「浅青瓷円壺（あさせいじまるつぼ）」で文部大臣賞を受賞

1981年 西日本陶芸美術展出品の「粉青瓷線彫文壺（ふんせいじせんちょうもんつぼ）」で内閣総理大臣賞を受賞

2006年 日本陶磁協会賞金賞、西日本文化賞を受賞

2007年 人間国宝に認定される

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