【人間国宝・島岡達三】灰被象嵌縄文壷 塩釉【共箱付】

【人間国宝・島岡達三】灰被象嵌縄文壷 塩釉【共箱付】

皆さん、こんにちは！本日の世田谷代田は、曇りから小雨でございます。

さぁ、大変有難いことに、昨今お問い合わせが大変増えております。査定をさせていただいた作品を多数買い取らせていただきました。引き続き、お気軽にご相談ください。

では、本日も素晴らしい作品たちの中から、こちらを皆さんにご紹介させていただきたいと思います。

【人間国宝・島岡達三】灰被象嵌縄文壷 塩釉【共箱付】

寸法は【胴径３３cm  /  高さ３８.２cm】とても迫力があって立派な壷ですよね。

１９９６年に、重要無形文化財保持者（民芸陶器・縄文象嵌） = 人間国宝に認定された【島岡達三】氏です。

浜田庄司を師と仰ぎ、受け継いだ民藝のエッセンスを島岡独自に更に深めていきました。その特徴のひとつに「縄文の象嵌を施す」というものがありますが、まさにその技法が斬新な作風ということで、に日本にとどまらず、世界的に知れ渡り国内外でご活躍されました。

そして、「益子民陶最後の巨匠」として名を馳せました。

壷の上部を見ていきましょう。

大きな胴の部分に負けないくらい大きな口。大変美しい円を描かれています。

褐色と藍色という２色に発色した塩釉が使い分けられ、こんなにも感動的な美しさに仕上がるのですね。そして、窯の中で灰を被ることで更に生まれる作品の躍動感。

以前にもいくつか島岡達三の作品をご紹介させていただいたことがありますが、日本人離れしたその美的センスに今回も圧倒されました。目にしただけでまず驚くような面白さがあります。そして、益々手に取りたくなるようなわくわく感。色・形・質感、どれを取っても良い意味で「普通」ではない。そこに島岡達三の凄さと魅力が詰まっていると思います。

壷の底は、このような感じです。寝かせた時に見える作品の表情も、また良いですね。大変味わい深いものがあります。

※高台内に「タ」銘あり。共箱付き。

１９３８年、府立高等学校学在中に日本民藝館を訪れたことがきっかけとなり、民芸の美に目覚め、陶芸家を志すこととなります。１９４１年に、東京工業大学窯業学科を卒業しています。月日は経ち、１９６４年にまず、日本民芸館賞を受賞。以降も、１９８０年に栃木県文化功労章を受章されたり、１９９４年には日本陶磁協会賞金賞を受賞するなど、その勢いはとどまることを知らずと言った感じで、彼の才能は瞬く間に認められていきます。

彼の作品の評価は国内だけにとどまらず、国外からも多大な評価を得ており、益子という土地で陶芸を学びたい者たちが国内外から後を絶たなかったというのだから、本当に彼の存在そのものが日本の宝ですね。そう、まさに人間国宝というわけですね。

きっと彼にとって、自分を頼ってくれる人達というのは、同じように陶芸を愛してくれている同志として受け入れたい気持ちが大きかったのだと思いますし、想い一つを胸に訪ねてくれることに本当に嬉しかったのだと思います。

２００７年 ８８歳で生涯を終えるまで、そんな人達と思いありきで民芸と向き合い続け、仕事一筋で全うされてきたということが容易に納得出来ますよね。

▼島岡達三（陶芸家）

１９１９年１０月２７日 東京市芝区愛宕町（現在：東京都港区愛宕）出身

父は、組紐師である島岡米吉

いかがでしたでしょうか。今回もまた素晴らしい作品に出会わせていただきました。移り変わる時代の中で、形あるものが丁寧に大切に受け継がれて、これからも沢山の人たちの日常に彩りを与えてくれますよう、ほくゆう倶楽部では日々このようにご紹介させていただいております。

是非、この感動を味わっていただきたいと思いますので、その目で直接ご覧いただき、お手に取って感動を体感していただきたいです！

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