【ドーム・ナンシー（Daum Nancy）】被せガラスにエッチング・マルトレ技法（手彫）スズラン文花瓶【ドーム兄弟】

【ドーム・ナンシー（Daum Nancy）】被せガラスにエッチング・マルトレ技法（手彫）スズラン文花瓶【ドーム兄弟】

皆さん、こんにちは！曇り空と少し涼しい風が吹きながらも、ちょうど良い気温になってきましたね。心地良い世田谷代田店内での作業が進みます進みます♩

さて、買取らせていただいた素晴らしい作品がまだまだ沢山あります。今回もその中から、見ているだけでウットリしてしまう素敵な作品を早速ご紹介させていただきますね！

【被せガラスにエッチング・マルトレ技法（手彫）スズラン文花瓶】

見てください！この美しい形状！そして、珍しいお色味ですよね。絵柄としては、奇抜で派手なものではありませんが、乳白色と赤紫色（私の表現的には、ワインレッド・パープル・淡いピンク・淡い白）といった、この幻想的な色の世界にまず惹きこまれてしまいます。

花瓶をぐるっと回しながら見てみると、見る角度によってたちまち表情が変わるところも楽しめるポイントです。

アップめでご覧いただきましょう！スズランの花がとっても可愛いですよね！そして、まるで浮き上がるかのように立体的に見えるのは、まさに表題にも記載させていただきました通り、被せガラスにエッチング、そして「手彫」により木彫のような彫り跡を表現するという「マルトレ技法」を駆使している為です。素晴らしい技術とセンスの上で、この作品が成り立っているわけですね。

花瓶の挿し口は、小振りの円になっています。表面の絵柄が透けて見える、何とも透明感があってこういうところも素敵ですね。

花瓶の上部は、繊細な細さと、胴体に向かうにつれ少しずつ太さが加わっています。この美しいフォルムを生み出すのも、きっと容易なことではないですよね。技術の高さを感じます。

花瓶の底には「DAUM‡NANCY」のサインが入っています。濃厚な赤と黒の色味と文字の金色がとてもマッチしていて、サインですらデザインの一部になっています。

この作品を手掛けた【ドーム・ナンシー】ですが、時代的にも同じナンシー派の「エミール・ガレ」と共に１９世紀後半から２０世紀前半にかけて大変ご活躍されたフランスのガラス工芸家です。ガラス工芸メーカーのオーナー一族として「ドーム兄弟」という呼称が定着していたことから、こちらの名前で覚えている方々もいるのではないでしょうか。

数々の作品を出展し、そして多くの賞を受賞するなど、その才能は世界中が注目していました。

ドーム兄弟に特徴的な技法をあげるとするならば「アンテルカレール」や「ヴィトリフィカシオン」などがあります。まず、アンテルカレールという技法は、ガラス素地に絵模様を描き、そこにガラスをかぶせる技術です。こうすることで模様に奥行きが出ます。この技法は１８９９年にドーム兄弟が特許を取得しました。もう一つのヴィトリフィカシオンという技法は、粉末状にした色ガラスをまぶして再加熱し素地になじませるものです。これにより、ガラスの肌に多くの色を発色させることが出来るという、これまた素晴らしい芸術の技法になります。

いかがでしたでしょうか！日本とはまた違った良さで表現された西洋アンティークの魅力に引き付けられた方が多いのではないでしょうか。花瓶だけでお部屋に飾ったとしても、とてもお洒落な空間になることは間違いなしですね。そのものがアート作品です。もちろん、花瓶としての本来の用途を活かし、お花ありきで飾るのも素敵です。一輪一輪、お花選びから楽しい時間を過ごせそうです。

ささやかな日常に新しい風が吹くだけで、いつもよりも特別な時間や空間が生まれたりしますよね。まさにドーム兄弟の「スズラン文花瓶」こそが、そんな素晴らしい日々を彩ってくれることでしょう！

是非、その目で直接ご覧いただき、お手に取って感動を体感していただきたいです！

ご興味を持ってくださった方は、お気軽にお問い合わせください♩

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